穴吹エンタープライズ株式会社(本社:香川県高松市、代表取締役社長:三村和馬、以下、当社)は、ホテル旅館事業を手掛けており、県内外で9つの宿泊施設を運営していることから、令和5年12月13日施行の旅館業法(※1)の改正に合わせ、「カスタマーハラスメント(以下、カスハラ)に対する基本方針」(以下、「本基本方針」)を制定します。本基本方針は、従業員が能力を発揮し、働きやすい雇用環境を確保しつつ、お客様へ誠意を持って対応し、健全な関係を維持するためのものです。
当社は、日頃よりサービスをご利用いただくお客様からの貴重なご意見を真摯に受け止め、サービス品質向上を目指し、改善活動に役立てております。その一方で、従業員に対して過剰な要求と捉えられる事例が、ごくわずかではありますが、見受けられる事があります。
この状況は当社だけなく、危機管理コンサルティング業「エス・ピーネットワーク」が実施した調査(※2)によれば、従業員の6割がカスハラを経験しており、その影響でメンタルやモチベーションの低下が見受けられています。これらの問題に対し、令和4年2月には厚生労働省から「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」が発行されており、令和5年12月13日には旅館業法が改正され、カスハラを繰り返すお客様の宿泊を拒否できるようになります。
新型コロナの水際措置終了後、インバウンド客数が増加し、2023年9月には全国で200万人を超え(※3)、令和4年の県外観光客入込数は前年比33.6%の増加(※4)となり、今後も観光需要が増える事で宿泊者数も増加傾向にあると予想しております。
このような、社会動向を踏まえ、本基本方針の制定は著しく不当な要求から従業員を 守ることでもあると位置づけました。ただし、最初からカスハラと決めつけて対応するのではなく、お客様の声を真摯に受け止めると同時に接遇サービス研修を行うなど、引き続き、サービス向上を目指しながらお客様と良好な関係を築いていきたいと考えます。
※1 旅館業法(厚生労働省)
新型コロナウイルス感染症の流行期において、宿泊者に感染防止対策への協力が得られず、迷惑客により、本来提供すべきサービスが提供できない状況が発生。これに対応し、2023年12月13日に施行される法律で、旅館業法などが一部改正される。
参考URL|https://www.mhlw.go.jp/kaiseiryokangyohou/
※2 【カスタマーハラスメント実態調査(2023年)】より引用
参考URL|https://info.sp-network.co.jp/news/kasuhara_survey2023
※3 インバウンド 訪日外国人動向(JTB総合研究所より引用)
JNTOの推計によると2023年9月の訪日外客数は2,184,300人(前年同月比+957.1%)で、先月に続き、200万人を超えた。
参考URL|https://www.tourism.jp/tourism-database/stats/inbound/
※4 香川県令和4年香川県観光客動態調査報告(速報版)
press_sokuhoubann.pdf (kagawa.lg.jp)